【投稿日】 2018年10月1日 【最終更新日】 2021年10月21日
家族が家出という状況は、残された人たちにとって大変なショックと不安を抱える出来事です。すぐに見つけ出したいという焦りと、どこに相談したら良いのかという悩みで混乱する人も少なくありません。
家族が行方不明となった時、順を追って相談することでよりスムーズに家出人の捜索を進めることが可能となります。家族が行方不明となった時の相談先について、具体的な例を挙げて解説していきます。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
家族が家出(行方不明)した場合は、家出人の関係先へ相談して情報を集める
行方不明となった家族に関係がある場所は、相談先として一番最初に思いつくのではないでしょうか。家出人の関係先に相談すると、次のようなことがわかることがあります。
- 家出人の行方不明となった原因
- 家出人の普段の様子
- 家出人の痕跡
こうした情報は、後に捜索する上で重要な判断材料となりますので、メモやボイスレコーダーなどでしっかりと情報を集めていきます。
子どもが家出(行方不明)になっている時
子どもが家出をして行方不明となる場合、次のような原因が考えられます。
- 家庭内での問題や暴力で家に帰りたくない。
- 友達と遊ぶことが楽しい。
- 好きな人とずっと一緒にいたい。
- 学校や塾でのイジメ問題に悩んでいる。
- 事件や事故の可能性がある。
精神的にまだ幼い部分が残り、その時の感情で行動を決めがちになる子どもの家出は、計画性がない分見つかりやすい部分もあるのですが、逆に1人で思い詰めてしまい自殺などに発展する危険性も高くなります。
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年齢が高くなるほど家族に秘密していることも多いため、両親が家出の原因や行き先に思い当たることがないということも少なくありません。まずは子どもが接触している場所すべてに連絡をし、子どもの家出と原因について相談する必要があります。
- 子どもが通っている学校
- 子どもが通っている塾や習い事
- 子どものアルバイト先
- 子どもの下宿先やアパート
- 子どもの友達やその家族
- 子どもの通学・下校時間に同じ道を通りすがる人
思春期を迎えている子どもの場合、何度も小さな家出と帰宅を繰り返しているうちに犯罪に巻き込まれたり、反社会団体に取り込まれているケースもあります。本人が逃げたくても逃げられなくなっている可能性がありますので、各方面への相談と同時に、警察へ相談することも重要です。
高齢者が家出(行方不明)になっている時
高齢者が家出をして行方不明になる場合、次のような原因が考えられます。
- 家庭内でのトラブル
- お金に関するトラブル
- 痴呆症による徘徊
高齢者の行方不明で一番心配なのは、命の危険性や現在置かれている状況です。例えば、同居している家族と喧嘩したので黙って旅行に出た、という程度であればまだ安心なのですが、お金に関するトラブルや痴呆症などが原因となる場合には、自力で帰ることが不可能な状態になっている可能性が高くなるのです。
高齢者の一人暮らしも多くなってきている現代では、優しくされたことで安心して詐欺に巻き込まれたり、家族も知らないうちに痴呆症となっているケースも少なくありません。高齢者が行方不明となった場合には、速やかに警察へ連絡するのと同時に、以下のような場所へ相談するようにしましょう。
- 行方不明となった高齢者の親戚
- お付き合いのある近所の人や友人・知人
- お世話になっているデイサービスなどの施設
- 昔住んでいた場所の近隣住人
- よく出向いている公園や散歩コースの近隣住人
高齢者の行方不明者に多いのが、「自力で帰れない」「自分のことがわからない」「事故にあいやすい」という点です。つまり、保護されていたとしても身元がわからないので連絡がつかない、ということも考えられるのです。
厚生労働省のサイトでは、身元が確認出来ない高齢者についての情報提供をしておりますので、こういったサイトも利用して相談するようにしましょう。
成人している家族が家出(行方不明)になっている場合
成人している人が家出して行方不明となる場合、次のような原因が考えられます。
- 家族間のトラブル
- 職場でのイジメやストレス
- 不倫によるかけおち
- 事業の失敗や失業
- 多額の借金による蒸発
「独立した大人であること」「自分の意思で動けること」「金銭的な問題がクリア出来ること」という条件が揃っていると、事件・事故の可能性が低くなることから警察も積極的に捜索しないケースが多いので、残された人たちも躊躇することが少なくありません。
しかし、行方不明となった家出人が次のような状態であった場合は、緊急性があると判断されることがあります。
- 借金やリストラで精神的に追い詰められていた。
- 不倫相手との話し合いがこじれて「不倫相手を殺す!」と叫んでいた。
- ストレスにより精神的不安定になっていた。
実際に起こった例として、ご主人が遅くまで飲み歩いていたことに腹を立てた妻と喧嘩になりご主人が家出、酔っ払っていたことなどから事件や事故に発展する可能性が高いと判断されて警察が捜索したところ、1人で夜中に山道に座り込んでいたところを保護された、というケースがあります。
つまり、「行方不明となった本人に判断力がない状態」であれば、警察も緊急性があると判断して積極的な捜索を行うことになるのです。
基本的に成人した人の家出に関しては、「本人の意思がはっきりしているかどうか」が重要な点となります。その部分を明らかにするためにも、まずは次のような場所に相談する必要があります。
- 行方不明となった家出人が務めていた会社
- 家出人の同僚や友人
- 家出人が通っていたスポーツジムや習い事先
- 家出人とネット上で繋がっている知人
- 家出人が親しくしていた親戚
- 家出人が懇意にしていたお店
- 家出人が通っていた病院
成人して独立した生活をしていると、家族でも知らない繋がりがあるため難しい部分もあるかも知れませんが、家出人が残した物を調べるなどして連絡先を探し、各方面へ相談していなくなった原因やその時の状況などを尋ねてみましょう。
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警察へ相談して行方不明届を提出する
「警察へ相談しても探してもらえない」という人も多いかも知れませんが、実は警察へ相談することには大きなメリットがあります。警察が捜索する判断基準と、相談することのメリットについて解説していきましょう。
警察の判断基準は事件性・緊急性の有無
警察では、行方不明者について大きく分けて次の二つに分類しています。
特異行方不明者
行方不明届が出されている行方不明者のうち、「事件・事故の可能性」「未成年で犯罪に巻き込まれる可能性」「遺書などがあり自殺を図る可能性」「精神的不安定で危険物を所持し他者に被害を与える可能性」「自力での帰宅が困難な可能性」がある人のこと。
一般行方不明者
行方不明届が出されている行方不明者のうち、「自分の意思で家出をした」「家族間のトラブル」「本人に何かしらの悩みがあった」というような民事事件性が高い人のこと。
警察は民事不介入ですので、事件・事故に発展するケース以外では積極的に捜索しません。したがって、どれだけ残された人たちが心配をしていても、家出人の状況によっては一般家出人と判断されることもあります。
このような背景から「警察に相談しても無駄」と思われがちなのですが、行方不明であることを届け出るということは、「公式に行方不明者として登録される」ということです。公式に登録された行方不明者のデータは全国規模で情報が回ることになるため、個人で捜索する場合にも様々なメリットが生まれます。
警察へ行方不明届を出すメリット
警察へ行方不明届を出すと、以下のようなメリットがあります。
- 企業やお店などで行方不明者の聞き込みをしやすくなる。
- 警察からの情報をもらえる。
- 家出人が不受理届などを出した場合には安否確認が出来る。
個人情報保護に厳しい現代社会では、家族であっても企業やお店などの信用を得ることが難しくなっています。警察へ届け出をすることで信用度が高まり、企業やお店からの協力が得やすくなるのです。
警察に登録されたデータは、各都道府県の警察サイトから確認することが出来ます。
参考リンク:警視庁「行方不明者に関する情報提供のお願い」
このようなサイトに寄せられた情報や、日々の警ら中に気づいたことなどが家族に知らされることで、行方不明者を探す上でのヒントとなるのです。
また、家出人が家庭内の暴力などで家出をしている場合、「行方不明届の不受理届」を提出することがあります。簡単に言うと「自分の居場所を家族に教えないで下さい」という届出のことで、警察にこれを提出してある場合には、警察は家出人を探しません。
しかし、不受理届が出ているだけでも「命の危険性はない」と判断されるので、今後についての方向性を考えやすくなります。
警察へ相談する時の準備について
警察へ相談する時には、次のような準備をしておく必要があります。
- 家出した人の基本情報
- 家出した状況の説明
- 家出に関して思い当たる原因についての説明
- 印鑑
- 身分証明が出来るもの
この他にも、家出した原因となる証拠や証言がある場合には、警察側の判断材料として提出すると良いでしょう。
家族が家出人捜索をする時間と心労を軽減するため、探偵事務所へ相談する
行方不明となった人を捜索することは、とても時間がかかり労力も必要となります。自力で捜索していたとしても、日常生活を送りながら続けていくことは大変難しく、残された家族には精神的にも大変な負担となるのです。
このことから、家族が行方不明となった時に探偵事務所へ相談する人が少なくありません。調査のプロである探偵事務所へ相談する事のメリットや、相談する際に必要なことを解説していきましょう。
探偵事務所へ相談するメリット
探偵事務所へ相談すると、以下のようなメリットがあります。
- 行方不明者の状況にかかわらず、すぐに調査を開始できる。
- 詳細な報告を受けられる。
- アドバイスを受けたり相談することが出来る。
- 個人では出来ない調査が可能となる。
- 調査を任せることで負担を減らすことが出来る。
行方不明者の安否がわからない状態が続くと、残された家族の負担は大変なものになります。「相談する先がある」「調査をしてもらえる」「聴きたい時に状況が聞ける」という環境は、そんな心の負担を軽減することに繋がるのです。
また、探偵事務所の調査能力は非常に高いので、個人では気づけないことや思いも寄らなかった事実を見つけることもあります。探偵事務所に相談することで、「協力してもらえる心強い家族」が増えるのです。
探偵事務所に相談する時の準備
探偵事務所に相談する時には、いくつか基本となる準備をしておく必要があります。
- 家出人の身体的特徴
- 家出人の性別や年齢
- 家出人の写真を数枚(顔のアップと全体像)
- 家出人の基本情報(通っている学校や会社・趣味など)
- 家出人が行方不明になった状況について
この他、心当たりがある出来事や証拠・証言がある場合には、それらも一緒に準備します。
多くの探偵事務所では無料相談を受け付けておりますので、まず相談から始めてみるのも良いでしょう。下記のページでは、相談前の準備についてさらに詳しく解説してありますので、こちらを参考に準備をしてみましょう。
早い段階からの相談と捜索が発見への近道となる
家出人の捜索は、開始が早ければ早いほど見つかる確率が高くなります。捜索する手掛かりとなるのは「残した痕跡」「見かけた人の情報」になるのですが、これらは時間とともに薄れていくため、行動に移すのが遅くなるほど捜索は難しくなるのです。
早い段階から相談をすると、それだけ手掛かりが残っているので家出人を追いやすくなり、時間も料金も掛かりません。ご家族だけで悩まず、早めに相談するようにしましょう。
まとめ
家族が行方不明になった時の相談先について、詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか。最後にもう一度内容を振り返り、ポイントをまとめてみましょう。
- 家族が行方不明となった時には、家出人の関係先に相談して情報を集める。
- 高齢者や子どもが行方不明となった時には、速やかに警察へ相談し安全確保につとめる。
- 行方不明者が成人であっても、精神的に追い詰められていると自殺や事件性が高まるので警察に状況を詳しく話して行方不明届を出す。
- 警察に届け出ると捜索する上でメリットがあるので、どのような状況であっても警察には相談しておく。
- 探偵事務所に相談することで、家族の心労や日常生活の負担を軽減することが出来る。
- 早い段階からの相談がより良い結果に繋がるので、家族だけで悩まずすぐに相談するように心掛ける。
家族が行方不明となる状況は、物理的にも精神的にも安定性を欠いている状態です。落ち着いて判断する心を取り戻すためにも早い相談と行動を心掛けて、行方不明者の1日も早い発見に繋げるようにしましょう。
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