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出会い系詐欺の手口と、騙されてしまった時の対処法

【投稿日】2021年9月17日

コロナウイルスの影響や時代の変化により出会い系サイトやマッチングアプリの利用者は年々増加しています。

実際に、マッチングサービス「タップル」を運営する株式会社タップルによるマッチングアプリの国内市場調査では、2017年から2020年まで右肩上がりで推移し、2020年の市場規模は前年比21.6%増加したことが分かりました。※1

実は出会い系サイト・マッチングアプリの利用者数増加によって、出会い系詐欺も増加しています。

「出会い系サイトで出会った当日に食事に誘われた」「やりとりをするために他サイトへ誘導された」という場合は特に注意が必要です。

では、出会い系詐欺に騙されないためにはどのような点に気をつければよいのでしょうか。

今回は、出会い系詐欺の手口と騙されてしまった時の対処法を解説いたします。

出会い系詐欺の実態

そもそも出会い系詐欺とは、出会い系サイトやマッチングアプリなど、男女の出会いを目的としたサイトやアプリを利用した詐欺のことです。

近年、コロナウイルスによって合コンや食事会など対面で出会える場が少なくなったことにより、出会い系サイト、マッチングアプの利用者が増えています。

出会い系サイトやマッチングアプリの利用者が増えたことを背景に、出会い系詐欺の被害件数が増加しています。

実際に、国民生活センターが発表している出会い系サイトに関するトラブルの相談件数を見ると、2020年になると被害件数が前年よりも1000件以上増加しました。

年度2018年2019年2020年
談件数8,9138,92710,563

引用元:国民生活センター公式サイトより

出会い系サイトやマッチングアプリを利用した詐欺はすべて「出会い系詐欺」と呼ばれていますが、実は出会い系詐欺は大きく2つの種類に分けられます。

  1. 出会い系サイト側が行う詐欺
  2. 利用者が出会い系サイトを利用して行う詐欺

出会い系サイト側が行う詐欺とは、サクラを利用した詐欺や手数料や登録料などの料金を騙し取るような詐欺です。

一方で利用者が出会い系サイトを利用して行う詐欺とは、詐欺師が出会い系サイトやマッチングアプリに登録し、外部サイトへの誘導や投資詐欺を行うことを言います。

特に出会い系サイト側が行う詐欺では、とにかく多くのターゲットに詐欺を仕掛けるため、手の込んだ手口は少ない傾向にありますが、個人が仕掛ける投資詐欺や美人局などの詐欺では、巧妙な手口で犯行に及ぶのが特徴です。

出会い系詐欺の手口

出会い系サイトやマッチングアプリを利用した詐欺はすべて出会い系詐欺と呼ぶことができるため、中には投資詐欺と出会い系詐欺など、複数の要素を併せ持つ手口があります。

複数の要素を併せ持つ手口では、背後に大きな詐欺グループが関わっているケースがあり、手口が巧妙化しているのが特徴です。

近年、出会い系詐欺の手口は多様化しており、女性が被害に遭うケースも後を絶ちません。

ただ、多様化しているとはいえ、よく使われる手口はおおむね決まっています。

出会い系詐欺でよく使われるのは以下の6つの手口です。

手口1:「完全無料」の出会い系サイトをうたいながら高額な料金を請求する

「完全無料」とうたいながら高額な料金を請求する手口では、メッセージのやりとりがポイント制になっており、ポイントは課金制になっていたというケースや、登録するとすぐに代金請求ページに切り替わるワンクリック詐欺のようなケースがあります。

このような手口の目的は、お金を騙し取ることや個人情報を搾取することです。

登録画面や代金請求ページでメールアドレスや電話番号を入力してしまうと、何度もお金の督促が来ることがありますが、絶対に支払いに応じないようにしましょう。

手口2:サクラサイトへ誘導し、高額な使用料や手数料を騙し取る

出会い系サイトやマッチングアプリを通じて出会い、連絡を取り始めると「このサイトはあまり見ないから別のサイトで話したい」などと言って別サイトに誘導する手口です。

誘導された別のサイトは悪質サイトであることがほとんどで、やりとりを続けさせることによってメッセージのやりとりにかかるポイントなどの料金を支払わせるように仕向けます。

出会い系詐欺によくある手口ですが、外部のサイトへ誘導すること自体、ほとんどの出会い系サイト・マッチングアプリで禁止されています。

他のサイトへの誘導された場合、まずは出会い系詐欺を疑いましょう。

手口3:高額な情報商材などを販売する

出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った異性と食事に行くと見知らぬ男性がおり「このアフィリエイトのノウハウを使えば誰でも簡単に稼げる」「私もこのノウハウで月100万円稼いでいる」などと言って販売する手口があります。

情報商材を販売する手口では、被害者の好意を利用して「購入してくれないともう会えなくなる」と言って購入させるケースがあることが特徴です。

また、マルチ商法である場合もあり、負の連鎖に巻き込まれてしまう可能性があります。

出会い系サイト・マッチングアプリで出会った異性やその知人に投資やアフィリエイトのノウハウに関する情報商材の購入を促された場合はっきりと断りましょう。

手口4:投資詐欺に誘い込む

出会い系サイトやマッチングアプリでターゲットを探して出会い、「必ず儲かる」などと言って海外の投資サイトに誘導し、サイト上では儲けが出ているように見せかけるが実際には出金できないという手口があります。

このような手口では、投資詐欺の勧誘者に逃げられてしまうとお金を取り戻すのは難しいのが特徴です。

また、出会い系サイトを利用した投資詐欺の勧誘者は、出会い系サイトやマッチングサイトの運営業者に見つからないよう、LINEなど別のメッセージアプリに誘導してから犯行に及びます。

投資詐欺には、暗号資産(仮想通貨)や不動産投資など様々なものがあります。

中でも暗号資産(仮想通貨)に関する投資では、暗号資産交換業者は金融庁・財務局への登録が必須です。

暗号資産に関する取引を行う場合は、金融庁のウェブサイトで「暗号資産交換業者登録一覧」を確認してから行うようにしましょう。

手口5:芸能人になりすまししてお金を貢がせる

まずは間違いメールを装って芸能人であることを匂わせたメールを送り、相手から「芸能人の方ですか?」とアクションが来たのを見計らって「メル友になって欲しい」「悩みを聞いて欲しい」と言い、悪質な出会い系サイトやマッチングアプリに誘導するというのが5つ目の手口です。

誘導先の悪質な出会い系サイト・マッチングサイトでは、最初の10通ほどは無料でメッセージのやりとりができますが、それ以降はメッセージのやりとりにお金がかかることがほとんどです。

芸能人になりすました詐欺師は、出演したテレビ番組の話題や悩み相談などで巧みにメッセージのやりとりを長引かせ、出会い系サイト・マッチングアプリに課金をするように仕向けます。

芸能人になりすます手口の特徴は、メッセージが一定期間を過ぎると消去され、証拠が残らないような仕組みになっている点です。

また、出会い系サイトの運営に必要な届けを出さなくてもいいように、運営会社の住所が海外になっているケースも見られます。

芸能人を匂わせるような間違いメールには返事をしないことが大切です。

手口6:美人局(つつもたせ)をはたらく

美人局が潜んでいる出会いの場として、以前はツーショットダイヤルやテレクラが一般的でしたが、近年は出会い系サイトやマッチングアプリが主流です。

美人局とは、出会った女性と会っていると女性の夫や恋人を名乗る男性が現れて「俺の女に手を出したな」と脅し、金品を騙し取る詐欺のことを指します。

出会い系サイト・マッチングアプリを利用した美人局の特徴は、出会ってから会うまでの期間が短いことです。

出会った当日や翌日に女性から「今日の夜、食事に行きませんか?」などと誘われたら注意しましょう。

これって出会い系詐欺?不安に思った時に確認すべき出会い系詐欺の4つの特徴

信頼できると思って登録した出会い系サイト・マッチングアプリでも、利用者の中にサクラが潜んでいたり、そもそもサイトやアプリ自体が詐欺業者によって運営されていたりする可能性は充分にあります。

出会い系詐欺は単純な手口のものが多いため、冷静に考えれば詐欺に気づけることがほとんどですが、騙されてしまう人が多いのが現状です。

もしすでに出会い系サイトやマッチングアプリに登録していて、出会い系詐欺を疑っている場合は、以下の4つの特徴に当てはまるかどうかをチェックしましょう。

特徴1:たくさんの異性からアプローチが届く

出会い系サイトやマッチングアプリに登録してすぐたくさんの異性から「いいね」などの反応や連絡が届く場合は出会い系詐欺の可能性が高いです。

このようなケースの多くは、プロフィール画像などを設定していない状態なのに、すぐに10人ほどの異性からアプローチされます。

そもそも、冷静に考えると顔やプロフィールがわからない異性に対して登録してすぐの段階でアプローチをするとは考えられません。

ほとんどの場合、アプローチをしてくる異性は出会い系サイトやマッチングアプリが用意したサクラです。

登録してすぐにたくさんの異性からアプローチが届くケースは「いいね」などの反応や連絡に返信させて、アプリ内で利用できるポイントを消費するように仕向け、追加のポイントを購入させることが目的の出会い系サイト・マッチングアプリ側が行う詐欺なので注意しましょう。

特徴2:外部サイトに誘導される

メッセージを始めて何度かやりとりをした後、「よく使っている別のアプリで話したい」などと言って別のサイトに誘導してくる場合は注意が必要です。

上記で紹介した6つの手口の1つとして、サクラサイトへ誘導して高額な料金を請求するという手口をご紹介しましたが、外部サイトに誘導するのはまさにサクラサイトでメッセージのやりとりにかかるポイント料金などを騙し取ろうとしています。

外部サイトへ誘導されるケースは、個人ではなく詐欺グループが首謀していることがあり、サイトが巧妙に作られていたり、演技がうまかったりと手口が巧妙なケースがあるので注意しましょう。

特徴3:誰にでも当てはまるような内容のメッセージが送られてくる

コピぺをしたような文章のメッセージが送られてくる場合は出会い系サイトやマッチングアプリの業者が雇ったサクラである可能性が高いです。

サクラは1日に何人も相手をするケースや、機会が自動的に返信しているケースがあるため、会話が噛み合わないことがほとんどです。

例えば、「スポーツが好きなんです」というメッセージの返信として「今度の土曜日空いてますか?」などと話をすり替える場合はサクラを疑いましょう。

特徴4:初めからかなり友好的に接してくる

出会い系サイトやマッチングアプリで出会い、初めから「LINE交換しましょう」「食事に行きましょう」などと友好的に接してくる場合は出会い系詐欺の可能があります。

初めから友好的に接してくる場合は、サクラサイトへのう誘導や美人局を目的としている可能性が高いです。

また、出会ってすぐに肉体関係を匂わせるような発言をする女性にも注意しましょう。

サクラサイトへの誘導や美人局などを行う詐欺師は、早くターゲットを捕まえたいと思っているため、ターゲットにとって魅力的な内容を匂わせます。

相手が詐欺師ではなくデリヘルやパパ活の募集をしているようなケースでは、お金の条件などを明確に提示するため見分けがつきやすいはずです。

初めから友好的に接してきたり、肉体関係を匂わせているのに中々条件を提示しない場合は注意しましょう。

出会い系詐欺に騙されてしまった時の対処法

出会い系詐欺に騙されてしまったら、速やかに第三者に相談することをおすすめします。

出会い系詐欺に対応している第三者は、以下のような機関です。

  • 警察
  • 弁護士
  • 探偵
  • 国民生活センター

出会い系詐欺は、出会い系サイトやマッチングアプリを利用していることへの後ろめたさから、被害者が泣き寝入りするケースが多くなっています。

しかしそもそも、出会い系詐欺のように人を欺いて金品を騙し取る行為は、刑法246条の詐欺罪にあたります。

ただし、詐欺罪を立証するためには証拠がとても重要です。

警察や弁護士など被害の解決に動く機関に相談する前には、探偵に依頼して詐欺の事実が証明できる証拠を集めましょう。

【1】警察に相談する

出会い系詐欺に騙されてしまった時は、まず警察に相談しましょう。

被害に遭った経緯を説明し、被害届を提出したいことを伝えると、ほとんどの場合証拠の有無を確認されます。

警察が証拠を確認するのは、「そもそも被害に遭った事実があるのか」「どれくらいの規模の詐欺なのか」を確認するためです。

もし証拠が不十分で詐欺事件であると判断されなかった場合や、被害が軽微であると判断した場合は民事事件として処理されるため、警察は介入しません。

民事事件に警察が介入しないのは、警察には民事不介入の原則があるからです。

警察に相談する場合は証拠を十分に揃えて持参しましょう。

また、警察はあくまで加害者を逮捕して刑罰を与えることができる機関であり、お金を取り戻すことはできません。

お金を取り戻したい場合は、弁護士に相談するのが適切です。

【2】弁護士・探偵に相談する

出会い系詐欺でお金を取り戻すことが目的なのであれば、弁護士に相談するのが一番の近道です。

特に弁護士は警察とは異なり、法律行為を行うことができる権限を持っているため、出会い系詐欺の加害者に対して出会い系サイトの解約を交渉したり、返金を請求したりすることができます。

ただし、警察と同じように証拠を重視するため、証拠が不十分の状態では弁護士に対応してもらうことはできません。

証拠が不十分の場合は、調査を専門としている探偵に相談するのがおすすめです。

出会い系詐欺の証拠として必要となるのは、メッセージのやりとりのスクリーンショットや入出金口座の情報、サイトの運営元の企業情報などです。

メッセージのやりとりのスクリーンショットなどは自分で集めることができますが、サイトの運営者の企業情報などは出会い系サイト・マッチングアプリに詳しく表示されていないこともあり、個人で情報を集めるのは難しいと言えます。

個人で集めるのが難しい情報は探偵に依頼し、証拠を集めた上で弁護士や警察に相談しましょう。

【3】国民生活センターに相談する

国民生活センターとは、事業者と消費者間のトラブルについての相談受付や国民生活についての研究を行っている独立行政法人です。

国民生活センターへ相談すると、過去に受けた相談の中から同じような事案はないか、同じ出会い系サイト・マッチングアプリへの相談はないかを検索され、今後の対応についてのアドバイスを受けることができます。

相談は無料で、誰でも電話で相談することができるため「詐欺に遭ったかどうかわからない」という状態でも気軽に相談することが可能です。

ただし、国民生活センターはあくまで相談機関であり、犯人逮捕や返金請求を行う機関ではありません。

犯人を逮捕したい場合やお金を取り戻したい場合は、警察や弁護士、探偵に相談しましょう。

出会い系詐欺に騙されないための予防法

出会い系詐欺に遭わないためには、運営体制がしっかりとしている出会い系サイト・マッチングアプリを選ぶことが大切です。

詐欺を働いているのが出会い系サイトであっても出会い系サイトの利用者であっても、運営体制がしっかりしているサイトやアプリであれば被害に遭う可能性は少なくなります。

運営体制がしっかりしている出会い系サイト・マッチングアプリとは以下のようなサイトです。

  • 定期的にサイト・アプリ内をパトロールしている
  • 登録時に年齢確認や本人確認が行われている

優良な出会い系サイト・マッチングアプリでは、運営側がパトロールを行っています。

不審な動きがある利用者は監視をし、場合によってはアカウントを使用できない状態にすることで出会い系詐欺を防いでいるのです。

パトロールがされていない出会い系サイト・マッチングアプリは、出会い系サイトの温床になりやすくなっています。

出会い系サイト・マッチングアプリを選ぶ際はパトロールを行っていることが明記されているものを選びましょう。

さらに、出会い系サイトやマッチングアプリに関するトラブルを防止するため、平成20年に「出会い系サイト規制法」が制定されました。

出会い系サイト規制法では、出会い系サイトを運営する業者は18歳未満の児童がサイトに登録するのを防ぐために、予防措置を取ることが規定されています。

そのため、優良な出会い系サイトやマッチングアプリでは、必ず年齢確認もしくは児童が通常は利用できないような支払い方法に設定されています。

年齢確認がないにも関わらず、クレジットカードなどが決済方法として設定されていない場合は悪質な出会い系サイト・マッチングアプリである可能性が高いので注意しましょう。

後ろめたさから泣き寝入りをするケースが多い出会い系詐欺。一人で悩まず第三者に相談しよう!

出会い系詐欺では、出会い系サイトやマッチングアプリで被害に遭ったことを家族や友人、職場などに知られたくないという思いから泣き寝入りするケースが多く見られます。

しかし、警察や弁護士、探偵などの第三者機関は守秘義務があるため、家族であっても被害について漏らすことはありません。

出会い系詐欺に騙されてしまった場合は泣き寝入りせずに信頼できる第三者に相談しましょう。

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