【投稿日】 2018年10月1日 【最終更新日】 2021年10月21日

大切な家族や恋人がいなくなってしまった時、残された人たちは様々な思いに悩み、苦しむことになります。

行方不明となった家出人を探すためには、警察や探偵事務所への相談も欠かすことが出来ません。家出人が帰ってこない・音信不通で連絡が取れないという時に、残された人がやるべきこと・とるべき行動について、詳しく解説していきます。

警察への届出や探すタイミングが難しい家出人探し

家族や親族・恋人の行方が分からなくなった時、残された人の多くが次のような項目で悩んでいます。

  • 事故や事件に巻き込まれていたらどうしようという心配
  • 自分で帰ってくるかも知れない期待と不安
  • 災害などに巻き込まれているかも知れない可能性
  • なぜ家出したのかわからない焦り
  • 家出されたことによる心労

この時点で多くの人が「警察への捜索願い」を思い浮かべるのですが、警察は基本的に民事不介入であることから、事件や事故・災害に巻き込まれた可能性が非常に高いと判断されない限りはすぐに動くことができません。

特に、普段から小さな家出を繰り返しては自力で帰ってきたり、家庭内に問題があって仲が悪いという状況下で家出した人に関しては、残された家族や恋人も捜索願いを出すタイミングを計りかねる傾向にあります。

2015年の警察庁生活安全局生活安全課の資料によると、実際に行方不明届が出された人の家出の理由は以下のようになっています。

家庭関係
両親の離婚や家族内の不仲・親からの虐待といった家庭内の問題を原因とした家出。
疾病関係
重病や不治の病・認知症による徘徊を原因とした失踪。
事業・職業関係
仕事の失敗や会社の倒産・リストラを原因とした失踪。
異性関係
恋人の浮気や配偶者の不倫・婚約解消・かけおちなどを原因とした失踪。
学業関係
学校でのいじめ・成績の低下・受験の失敗などを原因とした失踪。
犯罪関係
誘拐・殺人・事故などの犯罪を原因とした失踪。
その他
放浪癖がある・遊び癖があり帰ってこないなどを原因とした失踪。

これらの項目は、行方不明届が出された後に発見・帰宅確認が出来た人を対象に分類されていますが、この他にも次のような理由で家出人が失踪しているケースがあります。

  • 多額の借金を抱えていた。
  • 出張に行った先で災害に巻き込まれていた。
  • 家出人が犯罪を犯しており逃げるために失踪していた。

こうしてみると、あまりに多い家出の理由に驚くかも知れませんが、逆に言えばどんな些細な理由であっても家出のきっかけになってしまうということです。「いつものことだから大丈夫だろう」「この程度の理由は大袈裟だろう」という考えを持っていると、最悪の自体を招く結果にもなりかねません。

家出人が行方不明・音信不通となった場合には、可能な限り現状を把握した上ですぐに行動を起こすことが重要となります。

家出人が帰ってこない、残された者がすぐにできること・やるべきこと

家出の事実が発覚したと、残された人たちは様々な葛藤に悩まされることになります。動きたくても動けない、何から始めれば良いか検討がつかない…そんな焦りを抱える人も少なくありません。

家出人の捜索は早ければ早いほど情報も集めやすく、家出人発見への近道となります。家出の事実が分かった後、残された人がすぐにできることややるべきことをみていきましょう。

家出人の知人・友人に連絡

家出人の知人や友人に対し、家族や恋人が家出したことを連絡して、情報提供の協力を求めるようにします。話をしていくうちに、家出した原因となる出来事や居場所のヒントなどを掴めることもありますので、知っている限りの人たちに連絡を取ってみましょう。

具体的な例としては、以下のようになります。

  • 親戚縁者
  • 家出人が通っている学校
  • 勤め先の会社の上司や同僚
  • 仲の良い友人や同級生
  • お付き合いしている恋人
  • ネット上でやり取りをしていた人
  • 通っていた習い事の教室
  • よく利用していたお店や飲食店の常連

この時、家出人の捜索に必要だという証言が得られるようであれば、話の内容をボイスレコーダーに録音したり、詳細をメモして残すようにしましょう。

家出人の行動範囲を探す

計画的な家出を除き、思い悩んで姿を消した家出人は、「光があって安心できる場所」や「馴染みがある場所」に出向く可能性が高くなります。そういった場所を思いつく限り探すのも良い方法です。

具体的な例としては以下のような場所です。

  • 近所の公園や川沿い
  • よく散歩したり遊びに行く場所
  • 思い出のある場所
  • 仲の良い友人の家
  • ネット上で付き合いのある人の住む場所
  • 24時間営業のコンビニやスーパー
  • ファミレスなどの飲食店
  • ネットカフェ
  • ゲームセンターなどの遊戯施設
  • カプセルホテル

この他、家出人の通勤通学路上で利用した形跡があるお店に聞き込みをしてみたり、会員になっているスポーツジムなどに尋ねてみるといった方法もあります。

家出人が残したメンバーズカードやレシートなどからお店を割り出すことも可能ですので、具体的な場所が思いつかない場合には、まず最初に家出人が残した持ち物などを調べてみましょう。

また、尋ねる時には家出人の顔写真などを用意しておくと、見た目の特徴などを説明する上で役立ちます。

家出人の残した物を調べる

家出人の部屋・持ち物を調べると、次のような点がわかることがあります。

  • 自分の意思で計画的に家出をした。
  • 家出をするつもりはなかったが行方不明になった。
  • 急いで逃げ出した。

残された痕跡からわかるこのような項目は「家出をした動機」に繋がるため、警察への届け出や探偵事務所に相談する際に大切な判断材料となります。

特に何かの理由があり「家出人が自分の意思で家出した証拠」は、後に捜索の手掛かりとなりますので、家出人の残した持ち物や逆に無くなっている物をリストアップすることはとても重要です。

具体的な例としては以下のようなものです。

  • 銀行の預金通帳
  • 財布・お金・クレジットカード
  • 車の免許証
  • 仕事などで使用する免許や資格証明書
  • パスポートや保険証などの身分証明が出来るもの
  • 消費者金融からのハガキや書簡
  • 借金などの借り入れ書
  • 浮気相手とのメールのやり取り
  • パソコンの検索履歴
  • 家出人が残した日記や書き置きなど

この他、お気に入りに洋服やカバン・アクセサリーなどが残っていないかどうかも確認し、可能であればその持ち物が写っている写真なども探してみましょう。

携帯のGPS機能などで検索してみる

お互いの携帯電話が使用できる状態であれば、スマホのGPS機能で家出人の現在地を特定できる可能性があります。最近のスマホアプリは現在地の確認やアクセス要求を許可しないと使用できない物も多く、同じ機種やアプリ同士でお互いの現在地を知ることが出来るのです。

ただし、相手の携帯電話が電池切れを起こしていたり、携帯電話の電源を落としていると機能しないこともあります。特に自分の意思による家出の場合には、見つからないように最初から電源を切り携帯を解約することも考えられますので、早い段階からの捜索が重要となります。

チラシの配布やネット上での情報拡散

家出人の特徴やいなくなった時の状況を詳細に書いたチラシの配布や、SNSを利用した情報の拡散も有効な手段です。特にネット上での情報拡散は、スマホの普及率が高まったことにより幅広い年齢層から情報が集まる可能性があります。この時に「有力な情報提供者への報奨金」をつけておくと、より情報が集まる可能性があります。

ただし、報奨金をつけるとお金を目当てに嘘の情報を提供する人も出てきます。偽物の情報に振り回されないために、報奨金を付ける時には「家出人が確実にいる証拠の提供」や「事実確認後に支払う」といった条件を付けるようにしましょう。

警察へ行方不明届を提出する

状況がはっきりしていなかったとしても、まず警察へ行き「行方不明届」を提出することも重要です。2010年に「行方不明者発見活動に関する規則」が施行されたことにより、これまで「捜索願届」とされていた呼称が「行方不明届」へと変更になりました。

警察は民事不介入なので、「命に関わる緊急性がある場合」でなければ積極的に動くことは出来ませんが、実は警察に「行方不明届」を出すことで次のようなメリットがあるのです。

  • 警察のデータベースに登録されることにより、全国の警察に手配されて情報提供をしてももらうことが出来る。
  • 行方不明届を出したことで信用度が高まり、企業や店舗などに情報提供の協力を求めやすくなる。
  • 家出人が「不受理届」を提出しているかどうかがわかる。

上記の中で注目して欲しいのが「不受理届」です。これは行方不明となった家出人が「行方不明届を受理しないで欲しい」という届出をするもので、「ストーカーやDVなどの被害から逃げ出すため、意図的に家出をした」という証拠になるのです。

警察からの情報は探偵事務所に相談する時にも大変重要となりますし、探偵が調査する上でも動きやすくなりますので、迷わず「行方不明届」を出すようにしましょう。

探偵事務所へ相談

行方不明となった人を探すという作業には、大変な時間と労力が必要となってきます。特に残された人たちは心労も重なり、「何をどうしていいのか分からない」という人も少なくありません。そのような時に多くの人が利用しているのが探偵事務所です。

調査のプロである探偵は、些細な証拠や情報からヒントを見つけたり、家出人に気付かれずに調査を進めることが出来ます。残された人では気づかなかったような細かい情報も、探偵の調査で見つかることもあるのです。

相談するタイミングが早いほど家出人の痕跡が辿りやすくなりますので、まずは探偵事務所の無料相談を利用してみるのも良いでしょう。

家出人の捜索をスムーズにするために必要な準備とは

家出人の捜索は、ある程度の準備をしておくことでよりスムーズに行うことが出来ます。警察への届出や探偵事務所への相談にも役立ちますので、家出人の捜索に必要な準備についてご紹介していきましょう。

家出人の基本情報を集めておく

家出人がどのような人であったのか、身体的な特徴などを詳細に書き出していきます。具体的な例としては以下のような情報です。

  • 家出人の身体的特徴(身長・体重・ホクロ・髪の色など)
  • 家出人の年齢や性別
  • 家出人の顔写真(近影で複数枚用意)
  • 家出人の携帯電話番号やメールアドレス
  • 家出人のSNSのアドレス
  • 特技や資格
  • よく身につけているもの(お守りや指輪・ピアスなど)

詳しければ詳しいほど聞き込みもやりやすくなりますので、以下の記事を参考にして基本情報をまとめておきましょう。

家出人の様子を細かくリストアップしておく

基本情報とは別に、家出人の最近の様子について細かくリストアップしていきます。これは警察や探偵に相談する時に役立ちますので、以下のような点をまとめてみましょう。

  • イジメやリストラなどの精神的ダメージがあったかどうか
  • 物忘れや痴呆の症状があったかどうか
  • 友人や知人とのトラブルがあったかどうか
  • ストーカーや痴漢などの被害があったかどうか
  • 離婚協議中で子どもの親権争いをしていたかどうか
  • 家庭内でトラブルや喧嘩があったかどうか
  • 借金やお金に関するトラブルがあったかどうか

この他にも、何か気になる点や思い当たる出来事があった場合にはリストに加えておき、相談する時に伝えられるようにしておきましょう。

捜索の手掛かりとなりそうな情報をあつめておく

捜索の手がかりと言われるとピンとこないかも知れませんが、実は以下のような情報があると捜索する上で重要な手掛かりになります。

  • 家出人の銀行口座番号
  • 家出人の車やバイクのナンバー
  • 家出人の免許証のナンバー
  • 家出人の資格免許のナンバー
  • 家出人の自転車の登録番号

このような情報があると、警察がナンバー照会をしたり、口座の動きや家出人の動きを調べる時に大変役に立ちます。家出人の居住空間になかったとしても、会社や学校の履歴などに残っていることもありますので、わかる範囲で調べてみましょう。

まとめ

家出人の捜索について、残された家族や恋人ができること・やるべきことを詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後にもう一度内容をまとめてみましょう。

  • 行方不明と気がついたらすぐに状況を確認し、警察へ「行方不明届」を出す。
  • 家出人が残した物を調べ、捜索に必要な情報や手掛りとなるものを探す。
  • 自分で捜索するだけではなく、探偵事務所などの第三者機関を利用することも視野に入れる。
  • 「行方不明届」を提出しておくと、情報提供の協力を求めやすくなる。
  • 早ければ早いほど家出人の痕跡が追いやすくなるので、速やかに警察へや探偵事務所に相談する。

大切な人が行方不明になったことは大変大きなショックではありますが、時間が経つに連れて家出人が発見される確率が下がっていくのも事実です。現段階で出来る事・やるべき事をしっかりと把握して、1日でも早く家出人と再会できるよう行動を起こしてみましょう。

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